ドイツ海外出向者のお財布事情

私の周りでは最近日本人出向者が増えてきて,数ヶ月に1回程度,食事会をしています。 みんないろんな会社の社員や職業だったりすので,そのお財布事情は気になるところです。 日本では有名で,平均年収も良いと思われる大企業は意外とたいしたことはなく, 会社はニッチだけど海外出向者手当がすごい,などの噂がささやかれております。 しかし,やはり皆さんお財布事情については話たがりません。 まあ,日本にいたときも,仲の良い友達であっても「おまえいくらもらってるの?」などと聞くのはあまりよしとされないでしょう。 ましてや,たまたま同時期に海外に出向したというだけで知り合った仲なのですから,お互いに牽制するのは当然です。 ちなみにデュッセルドルフ市は日本の企業が多く立ち並んでおり,海外出向者が多いです。 平社員のみならず,欧州全体を取りまとめる,それはそれはおえらいさんもいたりするわけで。 そんなわけで,日本人は強盗のターゲットになりやすく,デュッセルドルフ駅前を一人でうろうろしていると あっという間に巻き上げられるようです。 私の知り合いでも一人,パスポートやら財布やら腕時計やらを持っていかれた人がいます。 知り合いに被害にあった方がいると,ぐっと恐怖感が増してきます。 確かに,デュッセルドルフ駅を一歩出るとあまり雰囲気の良い感じはしません。 デュッセルドルフから30分ほどのケルンでも,同様の被害が多いとのことです。 私は学生時代に知らない変なにーちゃんに声を掛けられ,無理やりどこかに連れて行かれそうになったことがあります。 おそらくは人目のないところで財布を出せなどと言うのでしょうが。 びっくりしましたが,幸い,こちらも酔っ払っていたこともあって,パニックにならずに近くのラーメン屋に逃げこんで事なきを得ました。 (ラーメンは食べませんでした。) それ以降はそういう体験はありません。 出向が長くなるとついつい慣れてしまって日本と同じ感覚で道を歩いたりしてしまいがちですが, やはり注意しなければなりませんね。 さて,お財布事情の話でした。 私の場合,あとおそらくは他の出向者も同様かと思いますが,まず収入はあがるでしょう。 海外出向手当という形で給料が増えるところもありますし, 日本での生活水準と同様の生活を海外現地でも維持できるよう,現地物価に見合った給与が計算されるところもあります。 ドイツの場合,基本的に日本よりは物価は高いです。 レストランは2倍ほどでしょうか。まずいのに高いので外食しないようになります。 アパートも高いです。2人で住む場合は1000ユーロはかかるのではないでしょうか。 ミュンヘンでは1000ユーロでは難しいかもしれません。 家具の値段もびっくりするほど高いです。ニトリがある日本はすばらしいです。 スーパーで売っている食料品は物によります。 5月はイチゴのシーズンで,大量のイチゴが安く売っています。 くさったイチゴもまぎれているので,ドイツ人はパックを手に取り真剣なまなざしでチェックします。 支出面では,日本の住民税,所得税がかからなくなる点が大きいです。 間違っているかもしれませんが,1月の時点で日本に住所がなければ,その年の6月以降は住民税が発生しません。 私の場合,4月に出向したので,次の年の6月から住民税が発生しなくなりました。 同様に,1月以降に日本に帰任すれば,日本に住んでいても住民税は発生しません。 このように収入面では恵まれているし,海外赴任中の成果は何かと目立ちますので頑張りたくなる気持ちもわかりますが。。。 一方で頑張りすぎたり,仕事が思うようにいかなかったりとで精神的に参ってしまう人も多いようです。 うつ病になって果ては退社ということになると,海外出向しなかったほうが生涯年収は高かったのかも,なんてこともあり得ます。 最近はどこの企業もグローバルを叫んでいて,グローバル化の姿勢のない社員は追いやらる一方です。 とはいえ,安易に海外出向を希望することが良いとも限らないので,よく考えたほうがよさそうです。